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やっちまった

ええ!?何を!!

タイトルを見た方は、皆さんそう思うでしょう。

先週、桜の開花を書いたブログが、アップされずに宙ぶらりんこ。

時系列がおかしいですが、先ほど、アップしました。

消してもよかったのですが、最近ちっとも更新しないと思われていると推測。

いや、それほどのモノでもないですが、読んでくださいまし。

 

 

 

この芝桜は、亡き父が育てていたものを移植しました。

小さな庭に植えられていた芝桜は、ずんずんと広がり、元気に育っていました。

水仙も同様です。

父は市営住宅住まいだったので、亡くなった後は退去しなければなりません。

遺品の多くは、廃棄するしか道はありませんでした。

ですが、父が育てた植物は、出来る限り延命させたいと思いました。

プランターや植木鉢で育てていたものは、近所の方々が引き取ってくれました。

残りは、碧い月に移植しました。

根付くかどうか心配もありましたが、それはそれ。

心配をよそに、その多くは、無事に新しい場所に馴染み、花を咲かせています。

 

先日、父が住んでいた住宅の前を通りました。

昭和40年代に建てられた、木造の小さな小さな戸建住宅です。

20軒近くあった建物は、主人がいなくなると取り壊されます。

父が住んでいた時は、半分以上更地でした。

老朽化の進んだ家屋は、新規入居者を受け入れません。

崩壊の危険があるため、そういう約束の元で入居しているのです。

父の住んでいた家もしかり。

すっかり更地になっていました。

わずかに気配を感じさせるのは、庭木を切り倒した跡だけでした。

私は、その家で育ったわけではないですし、晩年の父は、その家の記憶が消えていました。

だからでしょうか。

更地になったのを見ても。

あっ。

とっさに、そう一言出ただけで、切なさとかやるせなさとかは、感じなかったのです。

むしろ、そこから移植した植物が、碧い月で元気に育っているのを見て。

失くしたものなど、何もない。

そう思えるのでした。