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需要と供給、その対価。

書いても書いても、伝えきれず。

書けば書くほど、もどかしく。

いつしか、言葉が見つからなくなり。

向かう先を見失った。

いや、最初から、目標は存在しなかった。

 

1999年に創業した「碧い月」は、理想と希望に満ちていた。

構想から10年をかけ、その日に向かって準備を進めた日々。

店の開店は、夢の実現とは少し違う。

あの頃の私は、リアルな中で動いていた。

カフェの認知度が今程ではなかった時代、お手本にできる店も多くはなかった。

だからこそ、怖いもの知らずで進めたのかも知れない。

ぼんやりとした夢で片付けられるほど、現実は甘くない。

あらゆるものに目を向け、様々な人との出会いで学ぶしかなかった。

あれから、20年という歳月が過ぎ去った。

石の上にもなんとやら。

最初の三年は、怒涛以外の何物でもなく。

がむしゃらだけでは、どうにもならない現実を知り。

逃げているのか、進んでいるのかも判らないほど、走り続けた。

「碧い月」という店の屋号と、自分がリンクし過ぎており。

そこから発信する全てに、自分の生き様を写していた。

たかがカフェを営むだけなのに、重い十字架でも背負っている気分だった。

と思う。

あれは、

共感を得たかったのか。

理解を得たかったのか。

つまりは、自己を認めてもらいたかったのか。

誰に。

そう、いったい誰に。だ。

社会を斜に見た風をして、信者でも集めようと目論んでいたのか。

 

綱渡りのような生き方をして、それでも、店は潰さずにここまで来れた。

根拠のない無駄な自信は、もう、薄れたが。(失くしてはいない)

需要と供給、その対価をうやむやにしなくなった。

自分に出来る事。

出来るけど、やりたくない事。

やるなら、その対価に目を背けない事。

頑張り過ぎないし。

我慢しないよ。

犠牲になんてするもんか。

!?

それって、当たり前のことなのだよね。

 

気持ちがいいと想うこと。

創業からの精神を見失わずにやって行くさ。