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休業65日目

初夏の光

 梅雨入りまでの間、燦々と太陽が降り注ぐ。

 すっかり緑に覆われたので、店に注ぐ日差しは柔らかだが、カラカラに乾いた畑には、照射なく照り付けられる。草の伸びが穏やかになったが、その代わり、ガッチリと根を張っている。少しでも水分を吸収しようと、植物も必死だ。

 朝露に濡れている間に草取りをする。じっとりと濡れた草が地面から引き剥がされてゆく。首元に蚊がクーンクーンとうるさい。蚊取り線香を焚きながら、煙にケホケホしながら、朝仕事をする。

 一汗かいた後の朝食は、すこぶるおいしい。

 ワイルドストロベリーが豊作だ。

毎朝、赤くなった実を集めるのも仕事になった。お鍋一杯分貯まったら、ジャムを作ろう。真っ赤な香り高い苺ジャムは、焼き立てスコーンとの相性が最高だ。

 土手のイチゴ化計画が進行している。南瓜も混植する。草取りから解放されるためには、取り除かなければならない草を減らせば良い。イチゴは、植えてから2〜3年で地面を這い尽くす。それまでは、かぼちゃに頑張ってもらおうと考えた。

 今は、まだスギナと戦っているが、イチゴ化が上手くいくと、理想的な土手になる。はず。

 さて、上手くいくかな。

 再開までの間に、看板を作り替えようと思っている。設置する場所の整備も徐々に。しかし、暑い日中は、なかなか捗らない。

 暑さとの戦いと、蚊との戦いと

 少し雨が欲しいなぁ。

 今年も、こぼれ種でニゲラが咲いた。

 ここへ移って来た頃は、何度植えても育たなかったのだが、ここ数年は、勝手に花開く。

 澄んだブルーの花は、清々しく美しい。今年はちゃんと種を取って、看板設置予定の花壇に撒き散らそうかな。

 この花は、日向が好きなようだから、きっと咲き誇るだろう。

 1999年のゴールデンウィークに碧い月をプレオープンさせた。当時は、裏磐梯で営業をしていた。5月の裏磐梯は、まだ春が始まったばかりで、北側には雪も残っていた。殺風景な入り口に、青い花の鉢植えを飾った。花の苗と土で予算オーバー。お古の植木鉢を集め、それでも足りなくて、木箱なんかも使った。案外、いい出来だった。

 そうだ、青い花だけの花壇を作りたかったんだ。

 今なら、出来るぞ。

 しかし、播種には時期があるから、ちょっと出遅れたな。

 花壇は、計画的に。だね。