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立春になると、この物語が浮かんでくる。
ひゅう、ひゅう、降らすんだよ。飛ばすんだよ。ひゅう、ひゅう。
猫のような尖った耳と、ぎらぎら光る黄金の目をした雪婆んごが、九匹の雪狼を連れて、水仙月の四日を縦横無尽に駆け巡り、雪童子たちが雪をずんずん振らせています。
一人の子供が雪に囲まれて身動きができなくなり、降り積もる雪に覆われてしまいます。
雪婆んごは、こっちへ取っておしまいと言うけれど、雪童子は、柔らかな雪布団をたっぷり掛けてその子を守ってあげます。
凍てついた雪が、ふわふわの空気を含んだ暖かな雪に変わるこの季節のお話です。
物語のどこにも、賢治の残した覚書にも、この日が立春とは書いていないけれど。
立春の話だと信じている私です。
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猪苗代湖に白鳥を見に行ったのだが。
駐車場には、おびただしい数のカモが占拠していた。
車から降りると、一斉にこちらへ向かって集まってくる。
あれよあれよというまに、完全包囲されてしまった。
ま、餌が貰えないって分かると、さっさと踵を返してたけどね。
車の移動もままならない程のカモ大軍。
おかげで、白鳥見るのすっかり忘れた。