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初夏の花

 チングルマ

 雪解けと共に咲き出す高山植物である。

 毎年足を運ぶのだが、早すぎたり、遅すぎたり、なかなかジャストな状態で出会うことがなかった。山ではやっと雪解けでも、里では梅雨の時期になるので、お天気と相談しながらになると、尚更タイミングが難しい。

 花が目的なので、ちょっとくらいの曇りでも問題ないのだが、雷雨だけは避けなければならない。山の湿原は、逃げる場所がない。遠雷だと思っていても、数分後には真上に来ることもある。

 山の雷ほど怖いものはない。

 天気予報は曇りだったが、雷の心配はなさそうだ。

 出かけるぞぉ。

 この日は、父の命日。

 墓前に父の好物を供えてお参りをした。

 今年は、自分で育てた花を持参した。

 その足で、母成グリーンラインを経由、スカイラインへゴーである。

 浄土平から姥ヶ原まで、軽くハイキング。

 花を見るのが目的なので、頂上は目指さない。

 それでも、大汗をかきながらの登り。

 久々の山なので、体がまだ登山仕様になっていない。

 小一時間で姥ヶ原。

 やっほー。

 これまでで、一番の咲きっぷりだぁ。

 東吾妻山の登山口まで行って、お弁当タイム。チングルマを見ながら、おにぎりを頬張りましたとさ。

 帰りはちょっとガスっていたが、それもまたいとをかし。

 やっぱり、山はいいなぁ。