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告知

 検査結果が出るまでは、どうしようもない。

 いつも通りの生活を続けた。ただ、少しだけ食べ物に注意した。

 当初は、11月から営業を再開させようと考えていた。しかし、どう転んでも入院になるだろうから、当面の営業再開は無理だと判断した。

 ま、仕方ない。

 11月10日(水)検査後の受診。いよいよである。

 診察室に呼ばれ、椅子に座ると。

 「ガンですね。手術になります」

 実に、あっけらかんと、なんの躊躇いもなく、医師に告げられた。

 最近のガン告知は、全くオブラートに包まれていないのだ。

 潔くていい。

 それは、不治の病ではない証拠でもあるからだ。

 三春病院は、星総合病院の傘下にあるので、そちらへ転院になる。

 初診から3週間経っているので、今更急がないだろうと思っていたのだが、2日後に受診する手はずとなった。

 ここに来て、急にスピードアップである。

 ま、早いに越したことはない。

 11月12日(金)星総合病院で初診の手続きを済ませ診察を待つ。

 予約時間を大幅に過ぎて、ようやく名前が呼ばれた。

 診察室に入ると、三春病院で撮った大腸の映像が並んでいた。

 データを見るなり、

 すぐに入院しましょうね。

 え、今日ですか!?

 はいそうです。

 いや、いや、今日は無理です。明日にして下さい。

 じゃ、明日ね。

 はい。

 では、入院の手続きして下さい。

 はい。

 わずか3分の出来事である。

 それから、入院の為のPCR検査と血液検査、何枚もの書類の説明を受けサインをした。

 最後に、明日入院するまでの注意点が説明された。

 何と、食事はダメだと言われたのだ。

 えええええ、今まで食べてましたけど、詰まってませんけど、ダメなんですか。

 診察で待たされ、すでに腹ペコの私は、看護師に食い下がった。

 医師に確認してもらったが、やはりダメだと言う。

 腸閉塞を起こすかも知れないと言うのだ。

 マジかよ。

 この時が一番ショックだった。

 全く、心の準備がされていなかった。

 その様子を見て、消化の良いプリンとかヨーグルトを少しなら・・・

 看護師さんが天使に見えた。

 明日入院すれば、しばらくは好きな物は食べられない。

 これまで通り、よく噛んで食べれば大丈夫だろうと、柔らかめの食材を選んで普通に食べてしまった。

 そして、その自宅での食事を最後に、翌日から完全絶食生活が始まるのであった。