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散るは、

 散り始めた桜の花びらかと思いきや。

 出戻ってきた、春の雪。

 ひゃー。

 うっすら、積もってるやん。

 油断ならない、今年の春ですわ。

 西風に運ばれてくるのは、名残雪と散りゆく花びら。

 朝日を浴びて、みるみる溶けてしまうけどね。

 薪ストーブの出番だわ。

 

 この4月で、三春に移転して20年になる。5年に一度の営業許可申請も4度目になった。早いものである。

 コロナ禍が始まった時は、もうこのまま辞めてしまおうかと何度も思った。

 継続させる意味が見いだせないでいた。

 ま、アクシデントがあった方が生存本能が強くなる気もするが、震災の時とは大分違う感情だった。

 放射能は、防げはしないし、どんな作用が起こるかも未知数的な部分があった。体調が直ぐに変化する事も、実体験としてはなかった。

 何より、意図せず誰かを巻き込むことは、なかったのだ。

 だが、コロナは違った。

 無症状のまま誰かに感染させる恐れが否定できなかった。

 しかも、相手の命を奪いかねない。

 ただの風邪だと思った。移すつもりはなかった。

 そんな言い訳は、通用しない。

 不特定の人と接する以上、常にそのリスクと向かい合わなければならない。

 それを最小限にするためには、営業しないことが一番だった。

 こんな終わり方があってもいい。

 次第にそう思うようになっていた。

 ま、しかし。

 病気をしたことで、もう一度やってみよう!!とやる気スイッチが入った。

 人生わからないものである。

 アクシデントは、少しくらいなら、あった方がいいのかも知れない。