· 

もっと北へ

 ようやく全貌を見せてくれた利尻山。

 昨日、あの頂上に立ったのよね〜

 我ながら、頑張ったぜ。

 

 利尻島ともっと北の礼文島までは、フェリーで45分の距離。

 そりゃ、行くしかないでしょ。

 ネット上では、相変わらず高級宿しか空いていないが、Googleマップで当たりをつける。電話で当たって砕けろ!!

 礼文島でのスポットは、大まかに北と南にある。一泊の予定なので、この際とことん北へ行く。もう、ズンズン北へ行っちゃうもんね。

 良さげな民宿に電話をしてみると、ちょうど空きがあったので予約できた。

 港まで迎えにきてくれるし、最寄りのスポットまで送ってくれるとのこと。

 朝のフェリーに乗り、昼前には宿に到着。ささっと準備をして、最北限スコトン岬へ送ってもらった。

 昨日の筋肉痛がちょっとあるが、動かないともっと酷くなるから、この日も歩くぜ。

 スコトン岬を起点に、岬をめぐるコース。

 昨日から比べたら、もう、ちょろい。

 と思っていたが、いやいや、昨日よりも距離はある。

 しかし、岬から宿に帰るにも、それ相応の距離があるので、ともかく歩くしかない。

 食堂もないところなので、昨日の残りの食料が役に立った。

 

 背の高い木はない。

 冬は、相当強い風にさらされるのだろう。

 標高100mに満たない場所なのに、高山植物が分布している。

 季節的に、花の時期が終わりかけていたのだが、それでも散策路脇には、可憐な花が咲いていた。

 薄曇りだが、気温はそこそこ高い。

 じんわり汗をかきながら、時折谷を抜ける風に吹かれながら、黙々と歩く歩く。

 すれ違う人は、ほとんどいない。

 最高に気持ちがいい。

 下りになると、筋肉痛がじわじわするが、それもまたいとをかし。

 昨夜、宿のお風呂で一緒になった方に、礼文に行くなら「澄海(すかい)岬」へ行ってみて。とお勧めされた。しかし、交通手段がないので歩くしかない。

 海岸線をひたすら歩く。

 やっと見えた澄海岬は、観光バスが何台も来ていた。

 どどっと降りるお客さんたちが、一斉に岬へ向かう。

 ちょっと、怯んでしまう。

 それまでの行程で会った人は数人だったので、この島は観光客がいないと思い込んでいた。いやいや、船は、お客さん満載だったわね。

 多くの観光客は、島のスポットを巡る観光バスで移動していたのか。

 いや、自分の足で歩いてナンボや!!

 と、自分を慰める。

 観光客たちは、10分程度で一気にいなくなった。

 静けさが戻った岬は、なかなかいい。

 誰もいなくなると、最北の島にいるんだなぁと、じわじわ感じた。

 コロナ前、北欧の沖に浮かぶフェロー諸島へ行ってみたいと思っていた。

 ここは、少し似ているかもしれない。

 そう思ったら、もう、フェロー諸島へ行かなくてもいいような気になった。

 安上がりである。

 ここからは、車道を歩くことになる。

 土の上を歩くのは、まったく苦にならないのだが、アスファルトの上は、ちょっと苦手だ。

 緑の丘が続く風景を見ながら、宿に向かって歩く。

 海まで出たら、海岸を歩くといいよ。と宿のご主人にお勧めされた。

 アザラシがいるらしい。

 砂で歩きにくいかと思ったが、アスファルトより断然いい。

 靴を脱いで海に入りたいくらいだったが、それは、やめておいた。

 宿の赤い屋根が見えた時、心底ホッとした。

 この日も、14キロ超えの5時間半のトレッキングとなった。

 この二日間で歩いた距離と時間を考えると、もう、どんな山も怖くはない。

 そう思えた。

 夕飯時、一瞬だけ夕陽が輝いた。

 ああ、あの岬を歩いたんだなぁ。

 この日も夕飯にウニが出た。

 今朝とれたてのとても新鮮なウニ。

 そのほかのお魚もめちゃ美味しい。

 米も美味しい。

 思わず、3膳おかわりしましたとさ。

 北海道、何食べても、美味すぎる。

 あれ、福岡の時も言ってたような・・・

 旅の飯は、サイコー

 

 次は、稚内へ行くよ。

 

 つづく