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五月の風

 連休明けになると、決まって大風が吹く。

 その風で、辛かった花粉シーズンが終りを告げる。

 すると、待っていましたとばかりに、草が勢いを増す。

 この時期にスギナをやっつけておかないと、どんでもない草まみれになる。

 手の調子も良くなったし、草刈りに精を出す。

 スギナは、一本ずつ抜くよ。

 黙々と草と向き合う。

 割と好きな時間。

 少し前、メグスリの木の根元に、小指の先程の青い花が咲いていた。

 おおぉ。

 フデリンドウである。

 その可憐さに、うっとりしてしまう。

 二年草なので、来年も見られるかなぁ。

 それより、もう少し前。

 ヒトリシズカが4人で咲いてた。

 これは、宿根だから、毎年花を見せてくれる。

 咲き始めは小さいが、花が終わると葉をグーンと広げる。

 そこかしこの小さな春は、瞬く間に、初夏へと姿を変える。

 小野町の弁天桜。

 今年も、ほぼ貸切で見られたよ。

 古木の上に、桜色の雲が湧いているような姿なのよ。

 清楚な中にも、凛とした美しさがある。

 こちらは、猪苗代の観音寺川。

 桜吹雪だった。

 今年も、桜いっぱい見たなぁ。

 

 店の模様替えをした。

 新緑が出揃ったので、観葉植物を屋外に出した。

 ついでに、テーブルの位置を少し変えた。

 僅かな変化でも、新鮮になる。

 模様替えは、趣味みたいなもんである。

 大きなテーブルを動かしながら、パズルのように入れ替える。

 こんな小さな店なのに、毎回違うレイアウトになるのが面白い。

 変化させることが、長続きの秘訣かも知れないな。