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小さな旅

 五月だというのに夏日の日。

 ちょこっと車を走らせて、海まで行ってみた。

 海風は涼やかだが、日差しは真夏級。

 誰もいない。

 だ〜れもいない海。

 砂浜と碧空と、塩辛い海だけ。

 だが、暑すぎて。

 わずか10分で、撤退。

 根性、ここでは使いません。

 どこぞの国の砂丘みたいに撮れた。

 実際は、幅数メートルの砂地。

 我ながら、カメラの嘘を実感したわ。

 まっつぐ(真っ直ぐ)に続く海岸道路。

 その脇に咲き乱れる黄色い花。

 可愛いけれど、在来種を踏み倒す「特定外来生物」に指定されてる。

 北アメリカ原産のオオキンケイギク。

 三春でも、道路脇に咲いている。

 黄花コスモスを思わせる花だが、こちらは宿根なので、その繁殖力は桁違い。

 タネでも、根っこでも増え、瞬く間に群生する。

 そもそもは、雑草よけに植えたらしい。

 なのに、あまりの繁殖力に、駆除対象になった。

 セイタカアワダチソウやドクダミみたいな増え方をするのだ。

 ただ、花は可愛いから、駆除する人は多くはない。

 草だらけより、花の方がいい。

 そう思う人が大多数かも。

 

 遠い外国から連れてこられて。

 どんどん増えたら、駆除。

 植物に罪はないのに。

 ニンゲンハ、ミガッテダ。