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雪の磐梯山

 天気予報と睨めっこしながら、今年最後の山登りを考えた。

 山からは、雪の便りが届いている。

 このタイミングを逃したら、今年の磐梯山はもう無理だな。

 だが、思いのほか天気が回復しない。

 そう思った11月中旬。

 明後日で、ゴールドラインは通行できなくなる。

 そして、お天気もこれを逃すとまた崩れる。

 雪は多少あるだろうが、何とかなるだろう。

 明日決行。

 友人から貰った米を研いで、お弁当のおにぎりの準備をした。

 さて、どれくらいの防寒をすればいいかなぁ。

 風さえなければ、気温が低くても、それほど凍えない。

 重ね着で乗り切ろう。

 ま、ダウンは持って行くけどね。

 

 裏磐梯からゴールドラインに入ると、道の脇に雪が積もっている。

 冬タイヤに交換してきたから、焦らずに行こう。

 八方台駐車場には、20台弱の車が停まっていた。

 登山道は、うっすらと雪化粧。

 風が無いのが救いだ。

 ま、行けるとこまで行こう。

 この状況だと、クマさんは、いないはず。

 キーンと澄んだ空気の中を雪を踏みしめながら、スタート。

 気持ちがいい。

 何度も来ている場所なのに、雪があるだけで別の山に来たみたいだ。

 もう、楽しくて、楽しくて。

 ズンズン登った。

 弘法清水から先は、文字通り白銀の世界。

 頂上は雲の中だが、時折スーッと青空が覗く。

 風が無いおかげで、凍えず頂上まで到達できた。

 頂上の祠は、雪の粒が凍りついた層を成している。

 美しい。

 この季節だからこそ見られる光景に、テンションが爆上がりである。

 お弁当をどうするか考えていたら、雲が晴れてきた。

 向こうに光るは、猪苗代湖。

 天鏡と呼んだ人は、ここから湖を見たのかな。

 などと思いを巡らせながら、ちょいと冷たいおにぎりを頬張った。

 うかうかしていると、また雲の中。

 さっさと下山することにした。

 登山者は多くはないが、そこそこの人たちが白銀の磐梯山を楽しんでいた。

 賑やかなパーティもいるから、なるだけ離れて下山開始。

 こんなに静かな美しい山なのに、ハイテンションの声は聞きたくない。

 ま、人間の声が響いていた方が、野生生物は寄り付かないのだけどね。

 

 雪で滑る事もなく、無事下山。

 ものすごく楽しい山行だった。

 なのに。

 翌朝、声が出なくなっていた。

 喉の痛みはない。

 乾燥したような違和感はある。

 その後、熱はどんどん上がり続け。

 流行最先端のインフルエンザ罹患となった。

 山。

 めちゃ楽しかったから、いいんだけどね。

 

 すっかり元気になりました。

 これで、この冬は、無敵さ!!