· 

チングルマ

 晴れた6月の初め、初夏の花を見にスカイラインをグングン走る。

 いつもならまだ雪が残る浄土平は、ジリジリと照りつける日差しで、もう夏の勢い。

 今年初の山歩きだから、とりあえず、姥ヶ原まで行ってみよう。

 それにしても、暑い。

 だけど、ものすごく気持ちがいい。

 足取りも軽く、スキップしそうな勢いだ。

 平日でも、それなりに人は多い。

 暑いですね。

 が、挨拶がわりになっている。

 最初のお花畑を抜けると、木道がずーっと延びている。

 この道、ものすごく好き。

 駐車場から1時間弱登っただけなのに、天空に迷い込んだみたいだ。

 遠くで、カッコウが鳴いている。

 木道の側にも、チングルマが咲いている。

 実に可愛い。

 初めてこの花を見た時から、その可憐さに魅了されている。

 雪解け後の短い時期にだけ咲く花なので、タイミングがズレると残念な事もある。

 今回は、まさにベストタイミングである。

 もう、まじでスキップしていた。

 北海道の大雪山系や秋田の秋田駒ケ岳などは、この花の絨毯が広がっているが。

 それも美しいのだが。

 姥ヶ原の素朴なお花畑がいい。

 さっき、目覚めたんです。

 と、控えめな咲き方。

 そよふく風に、チラチラ揺れながら咲く花。

 砂糖菓子のようだ。

 ぐるっと散策して、鎌沼へ出てお弁当タイム。

 静かな水面を見ながらのおにぎりは、格別である。

 ああ、美味しい。

 で、おにぎりで元気が再び湧いてきたので、その足で一切経山まで登ることにした。

 風もないし、最高の登山日和。

 魔女の瞳も青く澄んでいる。

 少し雲が出てきたが、薄曇りくらいの方が気持ちいい。

 途中、仙台から来ていた団体さんと遭遇したので、それを避けるようにルート変更。

 団体さんの登山は、通常の登山者の倍近くの時間をかけている。

 5〜6人ならいいが、20人以上の大所帯だと、追い越すのも行き交うのも厄介である。

 登山者の常識としては、行き交う際に挨拶をするのだが。

 団体さんの場合は、出来る限り目を合わせず、無言で通り過ぎるようにしている。

 何故なら、行き交う全員から挨拶されると、それに返すのは苦行でしかない。

 向こう様は、一人ずつだけど、20人いたら、20回「こんにちは」と言わなきゃならない。

 こちらが登りだった場合、息が続かなくなる。

 ガイドさんは、挨拶しましょうと案内するだろうけど。

 ほんと、まじで勘弁してほしい。

 なので、団体さんを見かけたら、彼らが出発する前に行く。

 別ルートがあれば、変更する。

 どうしても、同じ工程なら、空気になって、見えないフリをする。

 挨拶をしない、感じ悪い登山者になるのでございます。

 今回ルートを変えたので、もう一度チングルマを堪能できた。

 また来年、会いに来るからね。

 無事に駐車場へ戻ると、団体さんがバスに乗るところだった。

 団体さんは、一切経山に登っただけなので、チングルマの花園を見ていない。

 せっかくのお花シーズンなのにね。

 ま、あの集団がお花畑に行ったら、それはそれで恐ろしい。

 それでいいのだ。

 ただ、途中ルート変更したので、レストハウスの営業が残りわずか。

 楽しみにしていたソフトクリームには、ありつけませんでしたとさ。

 くやし〜